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弁護士 野中法律事務所 八王子:相続・遺言:特定財産承継遺言


【特定財産承継遺言と遺贈(概要)】


 特定財産承継遺言(いわゆる「させる遺言」)と遺贈について
   
特定財産承継遺言(いわゆる「させる遺言」)と遺贈
   特定財産承継遺言 遺贈
意義 遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は 数人に承継させる旨の遺言(民法1014条2項)
 (いわゆる相続させる旨の遺言)
 
例:長男Aに自宅の土地建物を相続させる。

* 相続させる遺言には、特定の財産ではなく、財産全部をAに相続させる という遺言もある。

 参考最判:平成21年3月24日

被相続人が遺言によって他人(受遺者)に自己の財産を与える処分行為

遺言者が包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分する行為 (民法964条)
 
・特定遺贈:遺産のうち特定の物や利益を受遺者に与える処分行為
   例:甲不動産をAに与える。

・包括遺贈:遺産の全部又は一定の割合で示された部分の遺産を受遺者 に与える処分行為

   全部包括遺贈と割合的包括遺贈がある

   例:遺産の全部(または何分の1)をAに与える。

 *包括受遺者は、相続債務も承継する。
当事者 当事者
 遺言者

 受益相続人:特定の財産を承継する相続人

 * この遺言は相続人に対してのみ可能。 
    ↓ 
 * 相続人に対して財産を処分しようとする場合は 、通常相続させる旨の遺言を使う。
   相続人以外に対しては遺贈を使う。

  
当事者
 遺贈者: 遺贈をした被相続人

 受遺者: 遺贈により相続財産を与えられた者

 遺贈義務者: 遺贈の履行をする義務を負う者(民法987条) 

 * 遺贈は、相続人に対してだけでなく、相続人以外 に対しても可能。




効力発生時期 効力発生時
 遺言の効力発生時

 被相続人の死亡時(遺言の効力発生時)に直ちにその遺産が その特定の相続人に承継される。 






効力発生時
 特定遺贈: 遺言の効力発生時 

 包括遺贈: 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。(民法990条)
  遺贈された遺産全部は、効力発生と同時に当然に、権利も 義務も含めて包括的に 受遺者に移転する。

  遺産分割の規定が包括受遺者にも適用されるため、 割合的包括遺贈の場合は遺産分割協議が必要になる。
登記関係 登記手続き
 特定財産承継遺言で不動産を相続した場合は、相続人が単独で(遺言執行者がいても) 所有権移転登記ができる。

 遺言執行者も所有権移転登記ができる。

 * 登記原因は「相続」

対抗要件として登記が必要
 相続による権利の承継は、法定相続分を超える部分については、登記・登録・その他の 対抗要件がなければ、第三者に対抗できない(民法899条の2,1項)。
  ↓ 
 なるべく早く登記をしておく。


 


登記手続き
 特定遺贈の場合
  受遺者と他の相続人全員(または遺言執行者)とで共同登記申請する。

 包括遺贈の場合
  同上

 * 登記原因は「遺贈」
 
 
対抗要件として登記が必要(民法899条の2,1項) 
  ↓ 
 なるべく早く登記をしておく。


 

 



 
 


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